駄文その6
魔族考・ピサロ王位への道(後)

 

考察5 若きピサロの理想とは

さてさて私が言いたかった仮説は、ピサロもそうした魔王の座を狙う勢力のひとつだったのではないか、ということです。
どうもゲームの彼からは幼少から培われた気品が感じられないので(笑)。(魔族の王家に気品があるかどうかは謎)
仮定にすぎませんが彼の目的は魔族の復権であると思います。
マスタードラゴンがエスタークを封印したことにより、世界から追いやられた復讐も込めて。

魔族をひとつに纏め、再び魔族の世を手に入れよう。
              ↓
壮大な大目的、それを果たすには自分は魔族全体に認められた存在でなければならない。
              ↓
魔王として立てば、皆が自分の志に従ってくれるだろう。
              ↓
それにはまず、共に戦ってくれる同志が必要だ。

愚直なまでの若き理想!
そして彼が集めた同志の中に後の四天王がいたんじゃないでしょうか。
彼らは元々主君と配下ではなく、同じ釜の飯を食った(?)理想を同じくする仲間だったとか。
権力欲ではなく、目的のための手段に過ぎない魔王の座。
王族として生まれて権謀術数に巻き込まれつつも王座を獲得するのもアリですが、
「当然」魔王になるのではなく、「必要に迫られて」魔王になるっていう
王室から正反対の位置からのアプローチも魅力あるなあと思ったわけです。
純粋で愚直であるが故の誇り高さをゲームのピーさんから感じるのですよ。
力と魔力を兼ね備えた彼は、古きエスタークの御世の血を濃く受け継いでいるのかも知れません。

デスピサロ配下の魔物たちの反応を見ると、評判は悪くはなさそうです。
魔王ピサロが失脚しても彼を信じてる一派もあるようだし。(揃って牢にぶち込まれてたが…なんで殺されないのだ。反勢力なのに)
配下に大人気(曲解)のピサロさん!
強くて厳しく、時に優しく、自ら最前線に出て指揮を執り、配下をグイグイ引っ張っていってくれるリーダー。
てな感じが上に立つピサロの印象です。
魔物達は「大将、俺たちアンタに付いて行くぜ!」のノリですか。
だからピサロの個人行動も許容範囲、むしろ大目的達成の手段として歓迎されていたのでは…。

考察6 即位のタイミング
彼が魔族のトップに立つには、現役魔王の軍と一戦交えなければならなかったでしょう。
それは容易なことではないと思います。
凄惨な王座争奪戦争に勝利し地底の国を手中に収めたとしても、
今度は地上の魔族(魔物)に存在を知らしめなければなりません。
しかも地上は地底の何倍も広く、何より人間が幅を利かせています。
魔物の数は地底とは比べ物にならないほど多いですが、人間社会に追いやられて弱い存在。
かろうじて強さを誇る数少ない魔族は、人里離れた地や地上の砦であるデスパレスでくすぶっています。
それにそこにはまだ反ピサロ勢力があるはず。
つまりまだ魔王としては立てない。

ここでピサロがやりそうなことは、まず人間と反勢力、ふたつの敵を知ることではないか。
少しずつ地底からより力のある魔物を地上に放ち、地上の魔物と交配・繁殖させること。
地下の魔族ばかり強くても駄目だろうし…。
人間社会を観察し、その実態を知ること。
そしてある程度の力を蓄えることが出来た上で、デスパレスを攻略すること。
いつ叛乱が起きるか知れない状態の地底の国は四天王に任せ、ピサロさん地上へ。だってオレ行動派だから!
そこで彼が地上での拠り所に選んだのがロザリーヒルです。
人間の俗世から逃れるように、ホビットとおとなしい魔物と動物達がひっそりと暮らす村。
ここの住人にはピサロも気を許したんじゃないでしょうか。
素朴で無害だし、欲に駆られて妙なことをする奴もいないし。
しかしここでの生活がどういうものだったのか気になります。シスターには頭が上がらなかったらしいしー。
「こんな無害な種族をも辺境に追いやるとは…人間め…」ということでピサロさん人間嫌い度アップ。

ロザリーヒルで暮らしながらもしばしば世界を巡り、人間世界を自らの目で観察するピサロ。
時々は地底の様子も見に行ったりと、行ったり来たりで結構忙しそうだ。
数年が過ぎて行ったことでしょう。
そんな中、エルフ狩りという暴挙が人間によって成されているということを知ったとか。
エルフは希少な種族、森に生き森に死ぬ自然で無害な種族。
ここでピピサロさん人間嫌い度またまたアップ。
しかし「エルフを助けてやらねば!」と義憤に駆られたわけではないと思うんですよね。
どっちかっていうと優位的社会にいる人間が、ただでさえ個体数の少ない種族を金銭目的で狙うという、
人間本位な横暴に腹立てたのではないかと。
基本的身体能力・魔力の高い魔族からしたら個々の人間は弱いですから、
「分際をわきまえない連中」としてはっきり認識してしまいそう。ターゲットロックオン!ひええ。

さて地上で魔族が交配・繁殖し力を付けている間に、ピサロはエルフ狩りをする人間をターゲットに人間狩りぐらい画策するかもしれません。
はーいそこである日突然運命の出会いです。この詳細はもう駄弁
その4で述べたのでここでは省略。
ピサロはロザリーをロザリーヒルに招待し保護することを約束すると、再びどこぞへぶっ飛んでいきます。
やっぱり随分忙しそうです。
その後ピサロはロザリーヒルに気になる彼女を招き、いろいろあって(割愛)、めでたく相思相愛。
愛ゆえに彼女を人間の目から隠すために塔を作りました。(人はそれを軟禁と呼ぶ)

ここで伏線的仮説。
ロザリーヒルの塔には、古き魔族の御世の技術が使われていますね。
ピサロは若すぎて(たぶん)知識不足、ひとりで作るのは到底無理…協力が必要だ!
遥か昔の技術を再現することのできる知識の持ち主って誰でしょう?
私はエビルプリーストではないかと思います。
彼なら他の連中より長く生きてそうだし、知識も豊富のはず…弱肉強食社会の中の知恵者は貴重だし。
それにエビさんが塔の建造に携わっていれば、おのずとロザリーの場所を知ることになります
ピサロがロザリーの居場所を部下にほいほい教えていたとは思えないので…。
まあ四天王は特別かもしれませんが。でも仮に場所が分かってても、あやかしの笛がないと中に入れません。
しかしエレベーターの仕組みを考え造りあげたのがエビさんなら、
あやかしの笛を使わずとも塔内部に侵入する方法を心得ていたかも知れません
そうすればエビさんがどうやってロザリーを攫わせたのかが解明されますが…。どうですかどうですか

閑話休題。
この時点でピサロさんまだ魔王に即位してません。(してたらロザリーと出会った時点で名乗ってそうなんだもんよ)
ロザリーの塔が完成した頃(と想定して)。
年数を経て地底の国も段々と安定し始め、繁殖の結果地上の魔物は力を増し、数も増えてくる。
さあ、魔王となる足掛かりが固まってきたところでデスパレス攻略です。
この頃になるとピサロの破竹の勢いに反ピサロ勢力も弱体化しているでしょうから、
デスパレスの陥落はかなり早かったと思われます。(と仮定)
地上での拠点を手に入れて、ピーさんここでようやく即位
地底、地上両方の世界で魔王として名乗りをあげ、本格的に人間社会への侵攻が始まるわけです。

考察7 目的の変遷
前に述べた通りピサロの目的は魔族の復権と、天空の竜神に対する復讐と仮定しています。
あれ、人間を滅ぼして人間に復讐するんじゃないの?とも思いますが、それは途中から付加されたものです。しかも別々に。
最初は人間を滅ぼすというよりも、地上における魔族の台頭を重視していたと思われます。
しかし彼は止まることのない(一部の)人間の横暴に呆れ、
「もうなんつーかこいつらとは絶対相容れねぇ…」と思ったのではないでしょうか。(ロザリーいじめたしね)
現実問題として人間社会が最大の敵になりますし、滅ぼしてしまった方が後々の憂いを断つことになるので。
だから魔王に即位するにあたって、今までの目的に「人間の殲滅」が加えられたと考えられます。
というわけで彼はロザリーの所へいちいち赴いて「わたしは人間をみな滅ぼすことにした」と告げるわけです。
このへん魔族の単純思考というかなんというか…。
そしてロザリーが殺されて初めて、「人間への復讐」が付け加えられるということで。それは陰謀だったんですけどね…。

考察8 遅すぎた名君
私は駄文その3で、ピサロは勇者を見つけ出すのが遅すぎる、なんでだ!みたいなことを述べましたが、
今回の考察によってある程度結論付けられると思います。

結論を導き出すにあたっては、イムルの夢が最重要の要素になります。
では考えてみましょう。

イムルの夢は、ロザリーの思念によるものですよね。
イムルの夢。
1章では見られませんよね?
つまり
1章の時点でピサロはロザリーの元を訪れて「人間滅ぼす宣言」をしていないということになります。

しかし1章では「子供誘拐事件」が…イコール「予言の勇者の捜索」が始まっています。
おそらく即位と同時に勇者の捜索を始めたのではないかと思われます。
なんか意外。積極的。笑
ちょっと気になるのは、1章ボスの名前が「『ピサロ』の手先」であること。デスがないよー。
なんと1章の時点ではまだ魔王として即位してない可能性も無きにしも非ずです。ひゃあ。
捜索の方法は命じられた者の一存ではないでしょうか。
何しろ魔王様はお忙しい。同時進行で進化の秘法についても調べなければいけないからです。
彼が並々ならぬ関心を寄せていたのが進化の秘法のようですし、
「進化の秘法を使い、もっと巨大な(
強大の間違いじゃないのか)存在になるつもりだ」とか言ってますんで。
他にも、
 ・黄金の腕輪の捜索
 ・武術大会への出場(勇者捜索の一環)
 ・大橋の破壊による『世界の都』エンドールへの通行遮断
 ・バルザックの懐柔と軍事国家キングレオのへの侵攻・制圧
 ・大灯台制圧による海路航行遮断
 ・進化の秘法の開発・実験
 ・あわよくばエスタークの捜索
 ・天空勢力への警戒
 ・
たまにロザリーと逢引き(笑)。
などなど。
ふーむ、書き出してみると結構色々やってるんですなあ。見事に1〜5章を跨いでます。
これらを踏まえて、世界各地に侵攻した配下たちの動向も把握していなければなりませんし。

駄文
その3で述べた通り、1章〜5章初めまでの期間は下手したら1年以内です。
長く見積もっても大体2〜3年ではないでしょうか。
ということは、ピサロは
即位後わずか1〜2年余りで人間世界を蹂躙したことになります。
しかも勇者の居場所を突き止めて殺してます。
殺したのが偽者だったとはいえ、これちょっと凄いことなんじゃ…。行動派ここに至れり。怒涛の勢いです。
ただ惜しむらくは、ピサロが即位した時点で勇者が既に10代半ばであったこと。
立志するのがあと10年早かったら、人間はデスピサロによって滅ぼされていたかも知れません。

とりあえず結論。
彼が敗北したのは時宜を得られなかったためであり、
それを除けばピサロは魔王としての資質を全て備えていた。

うーんちょっと褒めすぎですかね。笑
遅すぎる、という点では駄文
その3の結果と同じですけれども、
それは決してピサロが悪いわけじゃないんじゃないかな…と。
もちろんロザリーを愛したことも弱点かもしれませんが、少なくともそれは負荷ではないと思います。
歴代魔王の中では類を見ない直向さがあったんじゃないかしら。
彼は魔族の理想のために頑張ったですよ。なっ!(肩叩く)

ああもうなんか当初のお題とえらく趣旨違いになってるような気が!
もうちょっとエビさんを絡めたかったけど、それはまた別の機会に。

とにかく長々書きすぎた。
こんな妄想をここまでちゃんと読んでくれた方は本当にエライ。お疲れ様でした。

 

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