駄文その5
魔族考・ピサロ王位への道(前)

 

魔族を統べる王様のくせして自ら武術大会エントリーするわ、一人で人間狩りするわ、
軟禁した(?)恋人にちょいちょい逢引きに行くわ、個人行動がやたら目立ちます。超行動派魔王です。
ちっとも王様らしくない…。ピサロさん威厳は十分だとしても、王様の品格ないですよ!
という個人的なツッコミから始まった今回は、ピサロは果たして王族なのか、
また王族でないならいかにして魔王になったのか、彼は魔王に相応しかったのか、邪推しまくりたいと思います。
そしてそれを検証すると、自然と魔族についても考える事になりますのでそれを主軸として考えていきます。

考察1 関連本に見る「王族ピサロ」
様々の関連本でのピサロは「ただの魔王」で、それ以上でも以下でもないものが多く、
王族であると分かるものは久美小説のピサロと『知られざる伝説』内「ピサロナイトの涙」に出てくるピサロだけです。
久美小説のピサロは紛うかたなき皇子様。
おじいちゃんはナルゴス、お父さんは妖艶なるニュイイ。(←妙に良く覚えてるお父さんwith枕詞)
なんか従兄弟とか叔父とかいろいろ血縁者も多かった模様。
で、結構王位継承問題でドロドロしていたと思います。
「ピサロナイトの涙」のピサロも王子様(字面はこっち)。
お父さんは名前が出てきませんが現役魔王で、ピサロさんは王位継承者。普通に世襲制っぽい感じです。
「父上」とか言ってるピサロさんが異様に新鮮だった覚えが…。
とにかくどっちも気紛れなボンボンでした。笑

まあ関連本の設定はオフィシャルであるとは言い切れませんが、ひとつの考え方として。

考察2 魔族の社会秩序
気になっているのは、
魔族が世襲制の王家の下に甘んじるほどおとなしい種族かどうか、ということです。
それと魔族と一口にいっても、物凄く種類が枝分かれしてると。
基本的には「魔族=魔物」という考え方でいいと思いますが、なんか「魔族>魔物」という感じがしなくもない。

魔族社会のヒエラルキー
  タイプ 個体数 知能 種類
A 人間タイプ 大魔道、鉄球魔神、コンジャラー、死霊使、アンクルホーン、ドラゴンライダーなど
B 大型動物タイプ 中〜高 鬼棍棒、アームライオン、サイ男、ドラゴン属、トドマン、べレス、首長竜など
C 中型動物タイプ 低〜中 イエティ、大鶏、夜の帝王、暴れ牛鳥、コドラ、大目玉、かまいたち、殺人エイなど
D 小型動物タイプ スライム属、耳飛び鼠、土わらし、ももんじゃ、いたずらもぐら、突撃魚など
E 植物タイプ
昆虫タイプ
マタンゴ属、切株お化け、人食い草、鋏クワガタ、大ミミズ、キリキリバッタなど
魔法生物
アンデッド
不明 低〜高 石人形、ガオン、爆弾岩、マネマネ、死神貴族、さまよう鎧、フェイスボールなど

ものすごく適当ですがこんな感じではないかと。
ゲーム中での序盤の雑魚敵(主にD〜E)などは、もう散在しすぎて野犬・野鳥などの野生動物と同じレベルじゃないでしょうか。
B〜E間(ひょっとしたらAも含む)では、捕食と被食の関係も成り立っても不思議ではなさそう。
だいたい他の連中もなんか知能は高くても頭は悪そうなイメージがある。鬼棍棒とか最高に馬鹿っぽい。
いい意味悪い意味ひっくるめて単純・純粋な思考なのではないかと。愚直、といった方がいいかも。
魔族にふさわしい言い方をすれば弱肉強食。
なによりトップであるピサロの個人行動を止めない配下たちですから…それとも止めたんか?
仮に主君の行動を諌めていたとしても、聞き入れられなかったエビルプリーストは「ピサロむかつく→謀叛」あら単純!
まあエビプリさんに関してはまた別で述べられたら、と思います。

とまあここまで結束にそぐわなさげな種族群が、王家を擁立して尚且つその傘下でおとなしくしてるんでしょうか。
なんか大半の連中は「王家なんて知るか」って感じなのでは。
ヒエラルキー底辺の魔物に至っては、魔王の存在は知ってても(感じられても)誰がその魔王かなんて知らないかもしれません。
だから6章でピーさんがパーティにいようと襲ってくる魔物の行動は間違ってません。
そして知能の高い、魔王本人を知っていそうな魔物たちが襲ってくるのも、敵の味方は敵と考えれば自然な事だと思います。

考察3 魔族の文化と歴史
美的感覚のカケラも無さそうな魔族ですが、どうしてなかなか、人間に負けず劣らずの文化があるようです。
それが見てとれるのはデスパレスとデスキャッスル
デスパレスは地上での拠点、地底のデスキャッスルが本拠地と考えられます。
建物内での生活文化と造建築の技術は持ち合わせているらしい…。
デスパレスは玉座に至るまでの狭い通路といい、階段上って目の前にある玉座といい、
玉座の前を通らないと行けない会議室といい、なんつーか…城というより砦です。立派な物見の塔もあるし。
ひょっとしたらかつては人間が利用していた砦かも知れません。それを奪ったとか。
だって人間を生で食ってそうな魔物に台所が必要なんなんだろうか。本拠地であるデスキャッスルには台所なかったですよ…。
人間の台所でお料理に目覚める魔物…かわいいかも。
デスパレスよりぶっ飛んだ構造なのがデスキャッスル。
しかしなんだこの直感のみに従って図面ひいたような城は。
ゲーム的にラストダンジョンだからややこしい構造なんだよというのは大前提として(笑)分かりますが、
それ以前に魔王の居城としての役割果たしてませんよー。なんで玉座が山の上にあるんですかー。謁見が大変でーす。
住んでる魔物すら迷ってしまいそうなこの地底の城、エレベーター(たぶん魔法による)完備です。
こんな技術開発できる魔族がゲーム中の時代にいたとは考えにくい…ような。だって面子が面子だからさあ…。

これらはおそらく魔族が跋扈していた古き時代、エスターク帝王の力が満ち満ちている頃の技術に依るところが大きそうです。
その頃なら、力と知恵を兼ね備えた高等な魔族も多かった事でしょうから。
しかし数百年か数千年前、伝説になるほど昔にエスタークはマスタードラゴンによって封印されました。
魔族の社会は没落し、力ある魔族は減り、段々と地上の魔物も力を失い、人の目に触れることが少なくなってきた。
つまりエスターク封印以後、魔族は人為的(神為的?)に淘汰されつつあった種族であると考えられます。
王の王、地獄の帝王が失われ、力が弱まって混沌とした魔族の社会で起こり得るのは権力闘争です。

考察4 魔王ってなんだ
ピサロに関する検証なのに前置き長くなってるなあ。笑

弱肉強食の魔族社会では、力が強い者ほど上に立つのが常です。
たぶん最初に魔王を名乗った奴は「俺みんなより強いから俺が今日から魔王ねー」って感じだったのではないでしょうか(適当)
そして身内可愛さに、息子や子孫に王権を譲るようになる。
これが仮に○○王家の確立としましょう。
○○は強いので、それに惚れ込む者、しぶしぶ従う者様々だと思います。
しかし代を重ねるうちに阿呆な魔王も出てくる。権力に溺れてムチャな悪政を敷いたりとか。
そうしたら当然反対勢力が出てくる。
「あいつむかつくんじゃ!玉座から引き摺り下ろしていてこましたれー」
で、○○王家滅亡。
そして色々な王家が入れ替わり立ち替わり確立されていくわけですな。
魔王になりたがる力自慢、頭脳自慢。その理由は愚かな欲から悲壮な決意まで様々です。
「奴より俺の方が強い!取って代わってそれを分からせてやる!」叛乱勃発。
「あいつばっかり美味いもん食っていい女抱けて羨ましいぞヽ(`Д´)ノ!俺1人じゃムリだからみんなでやっつけろー!」叛乱勃発。
ちょっと賢い魔族だと以下な感じ?
「力馬鹿どもめ。これでは裏切れといってるようなものだ。私の知略を持ってすれば魔族は安泰じゃあ!」叛乱勃発。
「このままでは魔族は落ちぶれる一方…俺が再び魔族に栄光を!」叛乱勃発。
魔王の中にはたぶん名君もいて、血縁ではなく最も力ある者に王位を譲り、魔族社会の再構築を果たそうとした者もいるかも知れません。
しかしやはり裏切りはあるもので 「偉そうなんじゃ!何様のつもりだー!」(お前が何様だよ)叛乱勃発。
…とまあこんな感じなのが喧喧囂囂…人間社会でも言えそうだ。というか変わらないな。

このように裏切り、下克上、叛乱、内乱の戦争状態が繰り返されてきた魔族社会に1人の若者が…。

 

長くなりすぎたので前後に分けます。
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